檜垣造船株式会社

技術・開発情報
TECHNOLOGY&SOLUTION

省エネ・幅広 13.5型 二層甲板貨物船「HI-MAX WIDE-ECO」を開発

EEDI Phase3をクリアし、環境負荷低減と燃費向上を実現しました。
幅広船型を採用したことで損傷時復原性を向上しつつ、PKS積載能力も向上しました。
檜垣造船では、これまで主力としていた 14型「HI-MAX ECO」に代わる、新船型 13.5型(1万3,500重量トン型)「HI-MAX WIDE-ECO」を開発いたしました。
 
本船型は、従来船の全幅を拡張して損傷時復原性(ダメージ・スタビリティー)を向上し、国際基準の厳格化に対応しました。
船速は13.1knotを実現。同時に、貨物倉(ホールド)の床面積を拡張することにより、復航トレードの主要貨物であるPKS※1の積載能力を1万トンまで高めています。
 
2025年以降の契約船に適用される新造船燃費規制「EEDI(エネルギー効率設計指標)Phase3」※2の規制値も先行してクリアしており、従来のシリーズ同様、高い燃費効率を実現しています。※別表参照
また、電子制御エンジンを搭載することで、機械式エンジンを搭載の13.5型「HI-MAX WIDE」からさらに約4%の燃費改善を図っています。
 
13.5型「HI-MAX WIDE-ECO」シリーズ1番船となる 781番船 は今年3月に竣工。※画像参照
本邦から東南アジア各国への鋼材輸送や同地域からの本邦発電所へ向けたバイオマス燃料の輸送を通して、日本国だけでなく周辺各国におけるSDGsへの貢献が期待されています。
 
※1PKS(Palm Kernel Shell/パームカーネルシェル)とは
  パーム椰子の殻の部分で、パーム油を生産する過程で発生する農作物残差。発電用のバイオマス燃料として利用される。
※2EEDI(Energy Efficiency Design Index ;エネルギー効率設計指標)とは
  “1 トンの貨物を1マイル運ぶのに必要な CO2のグラム数"を表わす。